日本に生息するシロアリはおもに2種類に分類されます。湿った木材を好み、水を運びながら土のなかを移動し蟻道を掘り進める土壌性シロアリと、対照的にわずかな水分でも生きることができ、乾燥した木材を好む乾材シロアリです。
日本では土壌性のヤマトシロアリとイエシロアリが主要で、8割から9割を占めるのがヤマトシロアリです。
シロアリが好む環境
土壌性のシロアリは特に湿度が高く暖かい環境を好みます。そのため、家のなかでは浴室や洗面所、台所、トイレといった水まわりをはじめとして、その付近の床下や土台、柱などがシロアリに好まれる環境です。
株式会社ブリーズハウジングのある徳島県徳島市は、温暖少雨な瀬戸内式気候の地域に属します。年間の平均気温は16.8℃、相対湿度は年平均で70%ほど。全国的に見て、湿度は高くも低くもありませんが、平均的な湿度だからと言ってシロアリが発生しないということではありません。シロアリは全国どこにでも発生しうるため、新築住宅を建てるときにはシロアリ対策が必要になるのです。
参考元:徳島県|第3章 ⾃然的・社会的条件の概況参考元:徳島地方気象台|徳島県の天気の特徴参考元:気象庁|徳島(徳島県) 平年値(年・月ごとの値) 主な要素>>徳島県徳島市の住みやすさは?主要地域へのアクセスや注文住宅を建てるおすすめエリア5選
シロアリ被害にあうとどうなる?
それでは、シロアリの被害にあうとどうなるのでしょうか。シロアリの対策が充分でない住宅はどうなるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
シロアリ被害は住宅の強度に影響
シロアリの被害は多岐に渡ります。一般的にシロアリは木造住宅の木材を食べるイメージがありますが、雑食性であるためゴム素材や断熱材に使われる繊維素材も食べてしまうこともあります。なかには、コンクリートやレンガ、鉛のような金属を食べてしまうケースも。
木造住宅の場合、柱や筋交い、土台といった住宅の構造に関する部分をシロアリに食べられてしまうと、建物の強度に影響をおよぼします。2007年に発生した能登半島地震では、被災した家屋の部材には腐朽やシロアリによる食害の痕が見られました。地域的に湿潤なエリアであるため、腐朽や蟻害のリスクが高いことに加え、シロアリ対策が充分にされていなかったことが原因だと指摘されています。
参考元:富山県林業技術センター|平成19年(2007年)能登半島地震における木造住宅の被害>>木造と鉄骨造のメリット・デメリットとは?徳島市の災害情報も合わせてご紹介します
防蟻措置は新築住宅の義務に
このように、シロアリは住宅の耐久性を損ね、倒壊のリスクをおよぼす存在であると言えるでしょう。そのため、建築基準法では建物を建てる際には、必要に応じてシロアリ対策である防蟻措置をしなければならないと義務づけられています。外壁内部等の防腐措置等として設けられている第49条によると、構造耐力で重要となる柱や筋交い、土台のうち地面から1m以内の部分にはシロアリをはじめとする虫への対策が必要だとされています。
また、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」も見てみましょう。品確法は、住宅を安心して取得するために住宅性能を分かりやすく表示することを目的として定められました。このなかでは、住宅の劣化軽減に関する項目として防蟻対策に触れています。木造住宅の場合は、外壁の通気構造や土台の建材、基礎の高さなどをチェックし、防腐・防蟻対策について評価し、住宅の劣化対策等級が示されます。
参考元:e-Gov法令検索|建築基準法施行令 参考元:国土交通省|新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド
新築時のシロアリ対策のポイント
それでは、シロアリに強い家にするために、新築時にどのような対策をすればいいのでしょうか。ここからはシロアリ対策のポイントをお伝えしていきます。
シロアリを入れない工夫をする
まずはシロアリを侵入させない工夫が必要です。シロアリのおもな侵入経路になりやすいのは、基礎の立ち上がり部分と打ち継ぎ部。基礎の立ち上がり部分は物置やデッキで隠れないようにして、蟻道に気づきやすくしておくことが重要です。打ち継ぎ部は継ぎ目をふさぐように基礎止水プレートなどを活用します。
また、配管貫通部分もシロアリの侵入経路のひとつに。シロアリを防ぐ薬剤入りのウレタンやシーリングを使って隙間を作らないようにします。玄関ポーチも同様に土台や柱の下までコンクリートで固めつつ、ウレタンやシーリングで隙間ができないようにしておくことが重要です。
シロアリが食べられない建材にする
万が一シロアリが侵入してしまっても、シロアリが食べにくい建材を使用しておくことでシロアリによる被害を最小限に防げます。例えば、構造木材や断熱材に防蟻薬剤を注入する処理を施すこともひとつの対策方法です。
また、シロアリが好まない木材を使う対策方法も。シロアリはエゾマツやスプルースといった湿気が多くやわらかい木を好み、香りが強く硬い木はシロアリの被害を受けにくいとされています。例えば、ヒバやヒノキ、ローズウッドなどがシロアリが食べにくい木材です。
住んでからもシロアリ対策を意識しよう
シロアリ対策は家を建てるときばかり意識しがちですが、住んでからも予防を心がけることで、シロアリを寄せつけにくくなります。マイホームに住み始めたら、以下を意識しましょう。
●シロアリの好物となる木材や段ボールを長時間放置しない
●浴室など湿気がこもりやすい場所は常に換気する
●湿気を逃がす通気口をものでふさがない
●水漏れや雨漏りがないか定期的にチェックする
●押し入れや畳の上に重い荷物を置いたままにしない
木材だけではなく、段ボールもシロアリの餌となります。不要な木材や段ボールなど、つい室内や家の周りに放置したままになってしまいますが、シロアリを寄せつける原因となるためすみやかに処分しましょう。
また、シロアリが好む湿った環境を作らないということもポイントです。特に、浴室や玄関は湿気がたまりやすい構造になっているため、除湿を心がけましょう。また、換気の妨げになるため、通気口の前にものを置いてふさがないように注意してください。
畳や押し入れがある和室も湿気がこもりやすくなります。特に押し入れは床下からの湿気で、シロアリ被害が出やすい場所。押し入れや畳に重たい荷物を常に置いておくと、接地面が密閉してシロアリが好む環境になってしまうため、重い荷物を置きっぱなしにしたりタンスのような家具を置いたりするのは避けましょう。
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徳島県徳島市での家づくりは株式会社ブリーズハウジングにお任せください
シロアリ対策は、マイホームに長く住み続けるために欠かせません。しかし、新築時にシロアリ対策をしていても、住み続けていくと防蟻剤の効果が薄れてしまうため、定期的に点検やメンテナンスをすることも大切です。
株式会社ブリーズハウジングでは、新築時から60年間のアフターサポート「家価値60年サポート」のひとつとして防蟻保証サービスをおこなっています。不具合やトラブルの際には24時間365日問い合わせいただけるサポートデスクもあるため、家を建てた後も安心してお任せいただけます。家づくりの不安や疑問を解決できる個別相談会も定期的に実施しているので、シロアリ対策など気になることもお気軽にご相談ください。